メディカルハーブ

ドクダミの「十薬」なお話

投稿日:

その昔、いわゆるワーカホリックでした。

いろいろ重なって燃え尽きました。

実家で静養していると、今は亡き母が

庭のドクダミを眺めてブツブツ言っています。

         

「不思議ねぇ。

誰も教えないのに、季節が来たら

ちゃんと芽吹いてくるなんて」

           

遠回しに、私に

「ドクダミ退治、してほしい」と

言っているんですね。

不承不承ドクダミを抜き始めると、

なんということでしょう。

あのカメムシ臭に包まれるのが

楽しくなるではありませんか。

気づくと家の中はドクダミだらけ。

大量のドクダミ茶ができあがりました。

            

触れるだけで私の背中を押してくれた、

ハーブのパワーの凄さに開眼した瞬間でした。

ドクダミの基本情報

【ドクダミ】

学名:Houttuynia cordata

ドクダミ科

使う部位:開花期の地上部

主な働き:抗酸化、毛細血管の強化、

     緩下、抗菌、抗アレルギー、

     利尿、血糖値上昇抑制ほか

頼もしいアンチエイジングハーブ

「十薬」はダテじゃない

ドクダミの別名は「十薬」。効能が多岐にわたることからのネーミングです。中国が「白髪三千丈」のノリでつけた、ちょっと盛り気味の名前かと昔は思っていましたが、中国での蕺菜(じゅうさい/しゅうさい)という呼び名の「じゅう」を日本で「十」に置き換えたようです。「蕺」とは「固まって生える草」という意味。「菜」という字から、野菜として食べられていたことがうかがえます(※)。

※参考:富山県薬剤師会広報誌『富薬』No.335

活性酸素を取り除くクェルセチン

冒頭にも書きましたが、ドクダミはまさに十薬の名がふさわしい、豊かな力を秘めた和ハーブです。

その中でも大きな働きをしてくれるのが、クェルセチン(ケルセチン)。フラボノイド類に含まれるフラボノールの一種で、黄色い色素成分です。普通は糖と結合して植物の中に存在しています。タマネギの外皮、ブロッコリー、緑茶にリンゴなどなど、とても多くの野菜や植物に含まれている物質です。

このクェルセチンは抗酸化物質として、活性酸素やフリーラジカルを取り除く力が強いと言われています。

空気中の酸素は体内に入って消費されます。使いきれなかった残りの酸素はさまざまな刺激を受けて、活性酸素に変化します。

活性酸素を初めて知った時、私は「活性」という言葉から「良いもの?」と思ってしまいました。活性酸素には免疫機能などをサポートしてくれる一面もあるのですが、多すぎると、一部は健康な細胞にダメージを与える悪者になります。体内の中性脂肪やコレステロールなどの脂質を酸化させて、「体内のサビ(過酸化脂質)」を作るのです。このサビが増えていくと、動脈硬化やガンなどの原因になりかねないと言われています。

フリーラジカルとは、電子の動きが不安定な分子や原子の集まりのこと。不安定ということは、いろいろなものと反応しやすいこと。反応しやすいということは、体内で悪さを働きやすいということ。

この過剰な活性酸素やフリーラジカルが取り除かれれば、動脈硬化のリスクが減ります。ということは成人病予防に役立つ。ついでにお肌のシミも防いでくれる。クェルセチン、働き者ですね!

ちなみに抗酸化作用といえば、よくフラボノイドとかポリフェノールという名前を聞きますね。私はメディカルハーブを学ぶまで、これがいつも混乱のもとでした。整理すると、

クェルセチン

フラボノール

フラボノイド

ポリフェノール

の順に、大きなグループを表します。ポリフェノール県フラボノイド郡フラボノール市の中に、クェルセチンが属しているイメージ。全般にポリフェノールは抗酸化作用に優れていると覚えておくと、いろいろ役立ちます。

ドクダミでデトックス

ドクダミに含まれるカリウムには、体内に溜まったナトリウムの排出をサポートする働きがあります。むくみや血圧上昇の原因になる余分なナトリウムを出して、すっきりしましょう。たとえば塩辛いものが好きな人に、ドクダミ茶はいいかもしれません。

クェルセチン、クェルシトリンには利尿作用があり、これもむくみ解消に効果的です。

おすすめの利用法

クェルセチンを効率よく取り出して利用するなら、ウォッカで作るチンキがおすすめです。収穫した全草を洗ってよく乾燥させ、煮沸消毒したビンに入れてドクダミが完全に浸るまでウォッカを注ぎます。あとは密閉して日に1回ビンを振り、約2週間置けばできあがりです。

もちろんドクダミ茶も美味しいですよね。生葉は例のカメムシ臭がしますが、しっかり乾燥させれば、ほぼ匂いません。軽く煎ってお茶にすると、ほうじ茶みたいに香ばしくなります。

カメムシ臭のもとはアルデヒドです。ドクダミのアルデヒドには抗菌作用があります。ただし乾燥させると抗菌効果は失われるとか。なので、抗菌効果を期待するときは生葉を使いましょう。くさいけど…。

副作用はある?

摂りすぎるとお腹がゆるくなるので、逆に便秘気味の人はお通じの改善に良さそうですね。またカリウムが多く含まれているため、腎機能に問題のある人はカリウムの排泄能力が低下しているので注意が必要です。

余談ですが、私は当時ドクダミ茶を飲み過ぎたせいか、歯がうっすら茶色に染まった時期がありました。考えてみれば、タマネギの外皮は染色に使えますよね。何事も、ほどほどが一番です。

* * * * *

お疲れなのは頑張りやさんだから。

そんなあなたに

癒しのハーバルライフをご提案する

シデリティスです。

ブログランキング・にほんブログ村へ

-メディカルハーブ
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

「緑の薬箱」にぜひ加えたいジャーマンカモミール

【ジャーマンカモミール】 学名:Matricaria chamomilla(Matricaria recutita) キク科 使用部位:花部 主な作用:消炎、鎮静、鎮痙、駆風 注意:キク科アレルギーの …

AGEを減らしてアンチエイジング

「終末糖化産物」という言葉を 聞いたことはありますか? Advanced Glycation Endproducts、 略して「AGE」または「AGEs」と言います。 従来、老化には「体の酸化」が 大 …

フレッシュハーブとドライハーブの使い分け

ドライハーブとフレッシュハーブは 何が違うの? 味や香りも違うの? どちらを使えばいいの? 今回は、よく聞かれるこれらの疑問について、 体験も交えながらまとめてみました。 ご参考になれば嬉しいです。 …

「良薬口に苦し」を地でいく苦丁茶

【苦丁茶】 学名:Ilex kudingcha、Ligustrum robustumなど モチノキ科、モクセイ科など 使用部位:葉部 主な作用:解毒、頭痛・歯痛・眼精疲労の改善、消炎、抗アレルギー、緩 …

スパイスの宝石、クローブ

【クローブ】 学名:Syzygium aromaticum フトモモ科 使う部位:つぼみ 主な作用:抗菌、鎮痛、消炎、局所麻酔 注意:高濃度の精油が肌に付くと、かぶれることがある。 キッチンに クロー …

カテゴリ

2021年4月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ハーブに癒されて、ハーブの伝道師(?)になりました。ハーブの栽培から活用、精油の利用まで、自身の体験なども交えながら書いていきます。ハーブをご一緒に楽しみましょう!