ドライハーブとフレッシュハーブは
何が違うの?
味や香りも違うの?
どちらを使えばいいの?
今回は、よく聞かれるこれらの疑問について、
体験も交えながらまとめてみました。
ご参考になれば嬉しいです。
フレッシュハーブの特徴
摘みたてのフレッシュハーブは、草原を思わせる素敵な香りがしますね。フレッシュハーブの主な特徴をまとめてみました。
①新鮮で、いろいろな成分が壊されずに含まれたまま。香りもフレッシュそのもの。
②自分で育てた場合は薬剤の使用の有無などが分かるので、安心してお茶や料理に利用できる。
③自分で育てたハーブを使う場合は、育てた人でしか得られない贅沢な気分が味わえる。
④長期保存が難しい。
私がハーブティーを飲み始めた時に使っていたのは、自宅のベランダで栽培するフレッシュハーブでした。卵からかえったアヒルのヒナは、最初に見た「動くもの」を親と思うって言いますよね。私も「ハーブティーってこんなものかな」と思い込んで飲んでいました。
でも、夫や友人には不評でした。生のハーブでお茶を入れると青臭さを感じると言うのです。確かに青臭さや野菜のアクのようなえぐみを、よく感じました。
この「えぐみ」が、フレッシュハーブの「一長一短」なのです。
植物は紫外線から身を守ったり、草食動物や害虫に食べられるのを防いだりするために、さまざまな物質を光合成によって作り出します。それらがフィトケミカル(植物の化学成分)で、野菜やハーブのアクや、えぐみの原因がこれです。
その代表格が、抗酸化作用で知られるポリフェノールです。抗酸化作用とは、活性酸素に自分自身が酸化されることによって、活性酸素の毒性から細胞を守る働きのこと。このポリフェノールの仲間には、渋味、えぐみのもとになる物質が多いのです。緑茶、紅茶、ワインの渋味を生み出すタンニンが好例です。
植物はいったん根を張れば、そこから動けません。そんな植物が生き残るために必死で体に蓄えた物質を、そのまま使えるのがフレッシュハーブのメリットです。そこには摘みたてならではの勢いや、エネルギーがあります。人を元気にさせる風味です。ただし勢いが良すぎると(=アクが強すぎると)、少し飲みづらくなることもある。新鮮さには長短があるというわけです。
また、フレッシュハーブティーを美味しく飲むなら、できるだけ「使用部位」とされている部分を使うといいでしょう。。例えばペパーミントやレモンバームの使用部位は「葉部」ですが、これを茎ごと使うと、えぐみが増します。私がかつて作っていたフレッシュハーブティーが不評だったのは、たぶん茎も入れていたからではと、今になって思います。
タイムなどの極細の茎は気にしなくていいと思いますが、ひとまず茎は取り除いた方が良さそうです。
ドライハーブの特徴
良くも悪くもアクのあるフレッシュハーブに対して、利用しやすいのがドライハーブです。ドライハーブを使うメリットをまとめました。
①フレッシュハーブには水分が多く含まれるので、有効成分を得るにはそれだけたくさんの量が必要になる。ドライハーブの方が、少ない量で効率よく有効成分を利用できる。
②アクなどの雑味が抜けて風味が深まり、飲みやすくなる。
③ドライハーブの方が管理しやすく、保存期間も長い。
ポットにたくさん生葉を詰め込んだつもりなのに、意外と薄味のお茶になったことは数知れません。フレッシュハーブの使用量はドライハーブの3倍が目安と言いますが、もっと必要な場合もあると思います。
ハーブを乾燥させて雑味が抜けると、例えばペパーミントの清涼感、スペアミントの甘味など、それぞれのハーブの良さが、さらに引き立つ風味になります。
ただ、レモンバームは中心となる精油成分が揮発しやすく、さらに非常にわずかしか含まれていません。自分で育てたレモンバームを乾燥させても、あまり香りが残らないのはそのためです。レモンバームは一家にひと鉢がおすすめ。ぜひ、摘みたての葉で入れたお茶を飲んでみてください。
ドライハーブは密封容器に入れて冷暗所で保存すれば、半年くらいは美味しく使えます。最初から密封容器に入ったものを購入すれば、1年程度の保存も可能です。
フレッシュとドライの上手なブレンド
ドライハーブのお茶に、ちょっと活力が欲しいときは、フレッシュハーブをひとつまみ加えるのもいいですよ。例えば摘みたてのペパーミントやレモンバームの葉を少量加えると、香りが途端にいきいきします。
摘みたてのジャーマンカモミールの花は、弾けるような甘い香りでいっぱい。ドライハーブティーに加えると、清らかでフルーティな香りが、ぱあっと広がります。
ちょっとしたアイデア次第で、ハーブティーの世界はどこまでも広がります。フレッシュとドライの特徴を知って、上手に使い分けてくださいね。
明日も美味しいハーブティーを飲んで、心と体に喜んでもらってくださいね!
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