ハーブ栽培

失敗しないハーブガーデニング(1)

投稿日:2020-05-04 更新日:

初夏になりました。

外出自粛が続く中、

自宅でハーブを育てて

癒されてみませんか?

   

でも、なかなか上手に育てられなくて…

という理由で遠ざかっているとしたら、

もったいなく思います。

かつてはサボテンすら枯らしていた私も、

何度か失敗しながら

ハーブガーデニングを楽しめるようになりました。

今日は、できるだけ失敗しないコツを

お話しします。

      

自然環境に合ったハーブを選ぶ

コツその1がこれ。その土地の自然環境に合ったハーブを選ぶのが、成功への近道です。

ラベンダーの場合

気候によって育てやすさの差が大きいハーブの代表がラベンダーです。ラベンダーは園芸店など一般では次の5つの系統に分けられ、それぞれに適した生育環境があります(学術上の分類ではありません)。

<アングスティフォリア系>

北海道などでよく見かけるイングリッシュラベンダーがこれです。コモンラベンダー、トゥルーラベンダー、真性ラベンダーとも呼びます。オカムラサキ、ヒドコートなどが代表的な品種。耐寒性に優れていますが、耐暑性はあまりありません。亜熱帯化の進む西日本では、なかなか育てにくいです。京都の我が家で何度か挑戦しましたが、猛暑の前にあえなく撃沈しました。特に蒸し暑さに弱いです。

<ラバンディン系>

アングスティフォリアとスパイクラベンダーとの交配種。スパイクラベンダーは鼻にツーンとくるカンファーの香りが強い品種で、耐暑性があります。このため、ラバンディン系には耐寒性があると同時に、アングスティフォリア系より耐暑性があります。西日本でも比較的元気に育ちます。グロッソが代表的品種。我が家のベランダでも、グロッソは何年もたくさん花をつけて楽しませてくれました。

ラベンダー「グロッソ」©︎シデリティス

<ストエカス系>

いわゆるフレンチラベンダー。ウサギの耳みたいな愛らしい形の花穂が特徴です。地中海沿岸地方や北アフリカ原産なので耐暑性はそこそこありますが、耐寒性はもうひとつ。

<プテロストエカス系>

レースラベンダー、ファーンラベンダーと呼ばれる系統で、四季咲きと、大きく切れ込みの入った葉が特徴的。耐暑性はありますが、耐寒性はもうひとつです。

<デンタータ系>

葉に櫛のような細かいギザギザがあるラベンダー。耐暑性はありますが、耐寒性はもうひとつです。

「耐寒性はもうひとつ」でも霜が降りない地方なら、株元をマルチングしたり寒風よけをしたりすれば、屋外で冬越しできる可能性はあると思います。

冷涼地向きのハーブ

フラックス(亜麻)、フレンチタラゴンなどがあります。フラックスは、向こうに新聞を透かして読めそうなほど薄く、はかなげな花弁が魅力。フレンチタラゴンは玉子料理などにぴったりの、香り高いハーブです。これら2つは特に蒸し暑さに弱いため、京都での栽培は難しかったです。

暖地向きのハーブ

冷涼地では屋外での冬越しが難しくても、暖地なら地植えで冬越し可能なハーブもあります。レモングラスが代表例です。地植えの場合、西日本なら地上部をカットしてマルチングしておけば冬越しできることが多いようです。鉢植えなら、暖地でも冬は迷わず室内で管理しましょう。

ジャスミン茶に用いるアラビアンジャスミン(マツリカ)も熱帯・亜熱帯地方が原産なので、暖地向き。ただし、冬は鉢上げして室内で管理した方が無難です。

アラビアンジャスミン©︎シデリティス

ハーブを育てやすい環境を整える

気候に合ったハーブを選んだら、次は地植えをする場所や鉢を置く場所などを確認しましょう。ハーブが育ちやすい場所を選ぶ。それが失敗しないコツその2です。

日当たりのいい南向きがベスト?!

そう思い込んでいませんか? ハーブの中には、強い日射しに当たると葉が硬くなったり葉焼けを起こしたりするものがあります。そんなハーブは午後の強い日差しを避けて、東側に置いてもいいでしょう。葉がやわらかく育ってくれます。レモンバームが代表例です。

だから南向きの場所がなくても悲観しないでください。ミント類やワイルドストロベリーなどは、明るい日陰でも元気に育つことが多いです。

レモンバーム©︎シデリティス

コンクリのベランダは砂漠と同じ?

マンション住まいだと、ベランダで育てることになりますね。戸建のお宅でも、コンクリートやレンガ造りのポーチに鉢を並べるケースをよく見かけます。

そのような場所に置かれたハーブにとって、夏は試練のとき。照り返しが強い上、腰壁に囲まれた造りのベランダは風通しがよくなく、熱気や活気がこもりがちに。植物にとっては、まさに砂漠同然の環境になります。

でも、そこしか鉢を置く場所がなくて…という方も多いはず。実は我が家もそうなんです。そこで鉢をダイレクトに床に置かないなど、ハーブへの負担を少しでもやわらげるいろいろな工夫をしています。

その一つが、腰壁をウッドフェンスなどで覆う方法。コンクリの壁にたまった熱が、ダイレクトにハーブに当たるのを防ぎます。

ウッドフェンスを掛けた自宅ベランダ©︎シデリティス

下が土の地面でも、鉢を直接置かないようにしましょう。虫の侵入経路になりますし、接地面から湿気が逃げず、鉢の中が蒸れる原因になります。ブロックなどを挟んで空気の通り道を作っておきましょう。

次回は水やりと土の準備について、ポイントをまとめますよ!

* * * * *

お疲れなのは頑張りやさんだから。

そんなあなたに

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シデリティスです。

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  1. アバター バジル より:

    こんにちは。
    こちらこそご無沙汰しております。
    お元気ですか。
    私は今一年中で一番忙しい時期なので、あと1ヶ月もしたら暇になると思います。
    体の方は腰を痛めておりますがだましだまし仕事を続けております。
    また、見にお伺いいたします。
    追伸、母親はホームにはいりました、でも、まだ慣れてないので毎日帰りたいと言っていました。

    • アバター シデリティス より:

      ご多忙の中、ありがとうございました!
      今が一番お忙しい時ですね。
      どうぞお体を大切になさりながら
      お仕事頑張ってくださいね。

      お母様に長年本当によく尽くされて、
      頭が下がります。
      苗の出荷が終われば
      少しご自身の時間ができますよう願っています。

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ハーブに癒されて、ハーブの伝道師(?)になりました。ハーブの栽培から活用、精油の利用まで、自身の体験なども交えながら書いていきます。ハーブをご一緒に楽しみましょう!